ただの育児漫画ではない!「赤ちゃんと僕」の感想【あらすじ付】

漫画好きの私が全力でお勧めする少女漫画は、ずばり「赤僕」です!

いや、全ジャンルの漫画の中でもお勧めできる、いまだファンも多い不朽の名作だと思います。そんな「赤僕」もとい「赤ちゃんと僕」について紹介したいと思います!

 

赤ちゃんと僕について

作者:羅川真里茂

巻数:全18巻

 

簡単なあらすじ

主人公は小学五年生(作中で六年生に進級)の少年榎木拓也と二歳の男の子、榎木実の兄弟。作者の羅川真里茂先生の18番である少年が主役の少女漫画。

平たく言えば、母親を亡くした榎木家で、お母さん代わりに家事、育児に奮闘する拓也を中心としたハートフルコメディなのですが…

それだけではないのが、「赤僕」が永遠の名作と謳われる所以!

 

ただのほのぼの育児漫画ではない

もちろん、二歳の実の他にも、拓也の友人たちの弟や妹であるヒロ、いちか、マー坊、それにまだ乳児の太一…可愛らしい個性派ちびっこキャラがたくさん出てきます。

読んでいるだけで癒され、優しい気持ちになれる…

ただ、それだけではないのです。

いじめ、三角関係、性の悩み、うつ病、育児ノイローゼ、クライマックスには生と死についても…

少女向けのほのぼの漫画ではおよそありえないようなタブーに触れた、時に重く目を背けがちなテーマを扱っているのです。

 

拓也や彼を取り巻くキャラクターがそれに直面し、乗り越えていく姿は可愛らしい絵柄でありながら非常に生々しく、時に心臓を切り付けられるように切ない。全巻通して何度泣いたか、数えきれません。それでいて、不思議と暗くない。

実と拓也の存在がそうさせているのかもしれません。

作中、父親の榎木春海と由加子の出会いも丁寧に描かれていて、またそれが最初ではなく、後半にエピソードを持ってきているので由加子にぐっと感情移入ができ、より「亡き母親」を神秘的ながら身近な印象にしています。

 

幼児を美化していない

そして、実の乳児期についての描写もあるのですが、可愛いだけではない。乳幼児特有の理不尽さ、憎たらしさ、保護者目線の苛立ち、疲労がリアルに描かれているのです。手放しに「赤ちゃんかわいい!」だけが詰め込んだ漫画ではないのです。

驚くべきことに、「赤僕」を執筆当初の作者は未婚、もちろんお子さんもいなかったそう!「赤僕」にはまった当初、私は子供でしたが、二人の子供を育てている今読んでも違和感無く楽しめます。

 

突き刺さる名言

「赤僕」のキャラクターは、魅力的です。

子供も大人もかっこつけない等身大の姿を見せてくれるからだと思います。なので、拓也はもちろん、小学生のキャラクターたちからは飾らない名台詞がたくさん飛び出しました。

私がすごくすごく胸に残り、何度読んでも泣いてしまう名台詞は、実が事故にあった際、春美パパが親友でもある朝日担当医から掛けられた言葉です。

 

「赤僕」はこんなところまで来てしまったのか、と。ただの少女漫画ではない、と再確認し、殿堂入りした瞬間でした。
朝日医師の言葉は、ぜひ読んで確かめてほしいです。

全年齢に胸を張ってお勧めできる少女漫画、それが「赤ちゃんと僕」!それにしても「赤僕」読んで、泣かない人っているのかなあ~。

 

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