赤線乙女のネタバレ感想!娼婦街で生き抜いた過酷な女たちの物語!

「赤線乙女~入れポン出しポン、ゼニをくれ!~」のネタバレ感想です。

作者は、汐見朝子(しおみあさこ)先生。

日本の風俗史である「赤線地帯」を舞台にした漫画です。

 

赤線地帯とは?

GHQによる公娼廃止指令(1946年)から、売春防止法の施行(1958年)までの間に、半ば公認で売春が行われていた日本の地域である。赤線区域、赤線地帯などとも。

戦前から警察では、遊郭などの風俗営業が認められる地域を、地図に赤線で囲んで表示しており、これが赤線の語源であるという。出典:Wikipedia

 

赤線乙女は、時代の波にも負けず、娼婦街でたくましく生きる女たちの物語です。

サブタイトルが何とも言えませんが、ストーリーは非常にシビアで考えさせられる漫画です。

不幸な時代に生まれても、幸せをつかみ取ろうとするその強さは、読む人に生きる力を与えてくれる作品でしょう。

 

赤線乙女のおすすめ度 ★★★☆☆

歴史・社会の裏側を覗きたい大人の女性におすすめ

過酷な時代に生きた女性たちの生き様を垣間見ることができます。

多少大人なシーンあり、グロさはないが、苦手な人は読まない方がいいです。

 

赤線乙女のネタバレ

松子と竹乃

山奥の村で育った少女・松子(まつこ)と竹乃(たけの)。

その村では、昔から女はその家の主のモノで、牛馬のように働くだけの生き物だった。

教科書を父に見つかり、激しく折檻された松子。

松子はそのことを握り飯を食べながら、友人の竹乃に話していた。

その話を聞いて、竹乃は言う。

「お父がいるから、まだマシだ。オラは親亡くして、叔父御の居候だ。飯もロクにもらえねえ」

そう言った竹乃に松子は自分の持っていた握り飯を分けた。

二人は、竹乃が拾った女性誌を眺めて東京への夢を馳せた。

オラはいつか東京さ。いぐだ

竹乃は、力強く言った。

 

父に犯されて

そこへ、竹乃の叔父が現れた。

「竹乃おめえまた隣の松子と油売っとるか」

そう言うと叔父は竹乃の頬を叩いた。

首根っこを掴まれ、引きずられるように連れて枯れる竹乃。

と、その直後に松子の見たものは────!!

 

白昼堂々と叔父に犯される竹乃の姿だった。

だが、竹乃は泣き叫ぶでもなく、慣れたもので、叔父の言われるままだった。

そこに、松子の父が現れた。

「家さ入れ松子」

強引に父に家の中へ押し込むように入れられる松子。

と、突然父は松子の着物をはいだ

 

村では、女は牛馬同然に扱われた。

実の娘だろうとそれは変わらなかった。

そして、役に立たなければ売られていくだけだった。

 

東京へ

その晩のことだった。

ひどい扱いに耐え切れなくなった松子と竹乃は、村を出る決心をした。

生まれて初めて蒸気機関車に乗り、東京へ行く二人

二人はまだ15歳だった。

東京に着いた二人の目の前に、一人の男が現れた。

「仕事探しかい?姉さんたち」

男は馴れ馴れしく二人に話しかけてくる。

二人は口の上手い男の話に乗り、後を着いて行く。

着いて行った先は玉の井(たまのい)という街だった。

男は言う。

「仕事は女中?てとこ。ま、ちっと接客もすんのよ」

案内された店は、パラダイスという名だった。

男に背中を押されるまま店に入っていく二人。

と、2人の目の前に、一人の年配の女性が現れた。

女は言った。

「いいだろう。雇おう。契約書に名前を書きな」

字のわからない2人は言われるままに契約書に手形を押した。

それから、この仕事について説明を受ける。

と、ここで二人は初めてこの仕事が娼婦だということを知った。

 

赤線乙女のネタバレ感想&結末

娼婦として生きることを選んだ松子と竹乃。

だが、その人生は思った以上に過酷なものだった。

竹乃は、客と恋仲になり子供を産んだ。

子どもは生子(いくこ)と名付けられた。

そして、竹乃は、生子を松子に預け、自分は満州へと渡った。

だが、後に竹乃は帰国するも、その体は病魔に蝕まれていた

そして────・・・。

昭和17年、米国から日本全土への空襲が始まり、敗退への色を濃くする。

だが、それでも玉ノ井で働く女たちは身を売り続けた。

 

過酷な時代に身を投じた女性たち。

その生き方、人生は、今のわたしたちからは想像もできないものです。

この漫画を読んでいると、そんな時代のそんな街に生きた女性たちの生き様を見せつけられます。

漫画だから、それはおもしろかったという一言で片付くのだけど、実際にこの物語のような人生を送った人は多くいたのでしょう。

それも、何百年前の出来事ではなく、ほんの少し前のこと。

それを思うと・・・なんと感想を述べたらいいのかわからなくなってしまいます。

主人公の松子、竹乃の人生は、産まれた時から不平等で、酷なものでした。

それでも、それを仕方がないとあきらめずに自分の人生を切り開いていこうとする姿は、強く惹きつけられます。

時代に翻弄されながらも負けない強さ。

それは、口で言うほど簡単ではなく、非常に強い心がなければ叶うものではありません。

それを、自分の意思で自ら、選択し続けた松子、特に竹乃は、とてもかっこいい女性に思えました。

もしかしたら、自分勝手に思われるところもあったかもしれない。

けれど、何物にも邪魔されないためには、それくらい図々しくなければ生きていけないのでしょうね。

あっぱれな人生だったと竹乃に拍手を送りたい漫画です。

もちろん、竹乃だけでなく、松子、生子ともにすばらしい生き方をした女性たちでした。

1巻という短い中に、ぎっしりと2人+1人の女性たちの生き方が盛り込まれている漫画です。

 

赤線地帯 玉ノ井について

玉ノ井というのは、戦前からある私娼(ししょう)の多くいた地域。

私娼とは、娼婦のうち、公の営業許可を得ていない娼婦を言う。許可を得ていた娼婦を公娼(こうしょう)という。

この漫画に登場したパラダイスも、銘酒を売るという名目で、銘酒屋(めいしゅや)と言う看板を掲げ、飲み屋を装いながら、ひそかに私娼を抱えて売春した。

戦後、公娼廃止指令により、玉ノ井などの赤線地帯は、カフェーや料亭(私娼たちは、女給)などという飲食店として許可を取り、営業されていった。

 

赤線乙女の作品概要

『赤線乙女』

作者:汐見朝子(しおみあさこ)

掲載雑誌:ダークネスな女たち

ジャンル:女性漫画 (ヒューマンドラマ)

 

女は血縁だろうが手ひどく犯され馬車馬のように働かされる村から逃げ出した少女・松子と竹乃がいきついた先は、売春が黙認された私娼街“玉の井”だった!

時代の流れに翻弄されながらも強く生きる娼婦たちのゆく末は――!?

 

Source: 篠原千絵の漫画ネタバレあらすじ感想
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