残酷物語?!娘にも読んでもらいたい名作キャンディキャンディ【感想】 

子供の頃夢中になってみていたキャンディキャンディを文庫版があるのを知って、早速購入、読みました。

 

「丘の上の王子様」「アンソニー」「そばかす娘」、なんとなく覚えていたのですが読み直してみて、こんなに悲しく、内容の深いお話だったのは、何度も何度も泣きながら読みました。

 

キャンディキャンディについて

作者:(原作:水木杏子、作画:いがらしゆみこ)

巻数:全6巻 文庫本セット

 

 

こんな悲しいお話だったのか

キャンデイキャンデイといえば、いつも笑っているそばかすがチャーミングポイントのキャンディーが、お金持ちのかっこいい男の子たちにモテて、かわいがってもらうストーリー程度にしか覚えていなかったのですが、そんな軽い簡単なお話ではありませんでした。

 

キャンディーは両親がいません。孤児院で育ち、そこから貴族階級の家に養女になります。養女となってもいじめにあったり、ひどい目に遭遇するのですが、持ち前の明るさと人懐っこさ、正義感で多くの人を味方につけキャンディーを助けてくれる友人を作っていくのです。

 

そんなキャンディーにこれでもかというくらい苦労を神は与えるのです。初恋の人は、10代の若さで銃に打たれて亡くなってしまうし、心の支えであったアルバートさんは記憶喪失になるし、戦争で友人を亡くすというシーンもありました。どんな困難な出来事の前でも、キャンディーは強く明るく、前を向いて歩くのです。

 

本当は深い話だったキャンディキャンディ

キャンディキャンディが流行していいたのは昭和50年代頃です。私は小学生低学年でした。幼い私は、孤児の女の子が、お金持ちになり、いじめられりもするけど、かっこいい王子様たちが助けてくれる、シンデレラストーリーとしか見ていなかったようです。

 

大人になって読み直してみると、愛する者の死、差別、戦争、移民など多くの深いテーマが散りばめられています。それに立ち向かうキャンディーは、ただお金持ちの王子様に助けてもらうわけではなく、自分の努力で困難に立ち向かっていくのです。

 

育った孤児院への恩返しのために、看護師を志し看護師になっていくキャンディーは、シンデレラストーリーにありがちな、ただ可愛いだけの女の子ではなく、自立した女性を描いています。こういう、女の子がモテる話はいいですね。本質がこの本に出てくる男はわかってるじゃないって思います。

 

娘に読ませたい

ただの恋愛物語、シンデレラストーリーとは一線を画すストーリーです。幸せであることが当たり前である現在。今の少女漫画に死や孤児、戦争といったテーマが入った読みごたえある漫画があるでしょうか。

 

現実は悲しい事も、どうしようもならない運命もあります。その時どうやって対処していけばいいのか。私には小学生の娘がいますが、キャンディキャンディは娘にも読んでもらいたい一冊です。キャンディから女としての生き方も学んでほしいし、苦しい事、悲しい事があっても前を向いて歩いていく強さとやさしさというものがあることを知ってほしいと思います。

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