鬼畜の妻のネタバレ感想!妾の子殺し事件(昭和の実在事件)を漫画化!

鬼畜の妻のネタバレ感想です。

作者は、天ヶ江ルチカ(あまがえるちか)先生。

昭和に実在した、妾の子殺し事件を漫画化した作品です。

鬼畜の妻のおすすめ度 ★★★☆☆

女性たちの生きざま、社会派コミック好きの大人の女性におすすめ

悲惨な話しが苦手でない、子育て主婦の方におすすめ

 

鬼畜の妻のネタバレ

経営不振

昭和53年。東京S町。

「もっと、専任物件が欲しいわね」

不動産経営をする松子は、顧客に逃げられ、今日もため息をついていた。

そんな松子に夫の英吉が言った。

「おまえが、前の店で火事起こして信用なくしちまったんだろーが」

「ごめんなさい」

言われた松子はただ謝るしかできなかった。

妻として少しも役に立っていない自分に松子は頭を抱えた。

せめて、子供がいれば・・・。

松子はそう思わずにいられなかった。

松子と栄吉が身体を重ねているところに、見知らぬ子どもが現れた

「ちょっと、うちで何してるの!?」

声を荒げる松子。その声に目を覚ます英吉。

英吉はその子供を見ていった。

「なんでおまえ」

 

妾の子

とうちゃん起きた~

子どもはそう言いながら、部屋を出て行った。

後を追うように松子と英吉も部屋を出て、店側へ行くと・・・。

そこには、松子の知らない女が子供を連れて立っていた。

「あらぁ奥さま?お世話になってます」

女は幼子を抱きながらそう松子に言った。

「どういうこと?」

突然のことに松子は栄吉を見る。

舌打ちする英吉に変わって、女が答えた。

「私、英吉さんの妾やらせてもらっておりますよの」

「この子たちが、本当に英吉さんの子?」

松子は英吉の顔を見上げた。

英吉は何も言わない。

変わりに女は松子を侮辱する言葉を吐き、2人の子供を英吉に押し付けて出て行った。

 

「ちゃんと考えてるから」

そう言って、英吉は外出した。

残った子供たちの世話を松子はする羽目になる。

 

慣れない2人の子育てに、夫・英吉との仲も溝ができ始める松子。

そんなとき、子供達をお風呂に入れていた松子。

ふざける子供に思わずカッとなり、手をあげる

その勢いで子供は湯船に沈み・・・。

寸でのところで松子は抱き上げる。

だが、その様子を見ていた英吉は────・・・。

 

鬼畜の妻ネタバレ感想

タイトルを見た時、妻である女が鬼畜なのかと思いました。

が、この物語に関しては、妻の夫の方が鬼畜ですね。

まあ、その夫に従ってしまった部分もある妻なので、ある意味では鬼畜かもしれませんが。

漫画は、実在の事件を参考にアレンジされて描かれています。

ただ、実際にこのようなことがあったのかと思うと、この子供達があまりにかわいそうで・・・。

悪いのは鬼畜夫なのですが、子供を捨てていった女のしたことも許されることではないでしょう。

漫画としては、短編ながらなかなか面白くストーリーが描かれていました。

タイトルから勝手に鬼畜妻を想像していたためか、まさかあのような展開になるとは思っていませんでした。

おかげでいい意味で裏切られました。

また、その裏切りにより、少しは救われる物語になっていたのがよかったです。

 

実在事件「妾の子殺し事件」について

実際にこの漫画の元になる事件があったわけではないようです。

ただ、昭和から平成にかけて、ずいぶんとこの漫画のように子殺し事件が多発しました。

特に有名なのが、松本清張の小説「鬼畜」のモデルにもなった事件です。

この漫画のその事件をモデルにし、アレンジしてあります。

最近では、妾の子という存在は昔よりは聞かなくなりました。

ですが、子殺し、子どもを狙った犯罪は増える一方です。

わたしも子供を持つ親として、不安な世の中に感じています。

正直、危なくて子供だけで外出させられません。

今後どのような世の中になっていくのか、不安がつきません。

 

松本清張「鬼畜」

「鬼畜(きちく)」は、松本清張の短編小説です。

1978年に映画化され、2002年に日本テレビ系で、2017年にテレビ朝日系でテレビドラマ化された作品です。

この物語は、実際にあった事件を元に描かれたフィクションです。

実在事件の概要

実際の事件は、骨董屋の男が妾に3人の子を産ませていたが、商売不振で仕送りができず、妾が子を連れて男の家に来るところから始まる。その後、本妻に子を片付けろと責められ、殺害および殺害未遂を経て、松崎町で逮捕された。男は在獄中に発狂死し、本妻は在監中であったという 出典:Wikipedia

 

鬼畜の妻の作品概要

『鬼畜の妻』

作者:天ヶ江ルチカ

ジャンル:女性マンガ

出版社:ぶんか社

掲載誌:ダークネスな女たち

 

不動産屋を営む英吉は、妻の松子に隠れ妾に子供を生ませていた。

しかし、子供たちを連れて乗り込んできたことで隠し子がいたことが発覚。

さらに、妾は子供達を押し付けて行方不明に────。

実在事件を元に描く虐待サスペンス!

Source: 篠原千絵の漫画ネタバレあらすじ感想
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