処女市場~東南アジアの売春事情~ネタバレ感想!実在する残酷物語!

「処女市場~東南アジアの売春事情~」は今なお東南アジアにはびこる残酷な闇社会の実態を描いた漫画です。

「処女を売る村」「キルギスの誘拐婚」「高貴なる碧い血」「穢れの聖女アグネス」の4作品が収録されています。

その中のひとつ、「キルギスの誘拐婚」のネタバレ感想を紹介します。

「キルギスの誘拐婚」は、誘拐してきた娘を無理やり花嫁にする中東キルギスにある残酷な風習(アラ・カチュー)をテーマにした漫画作品です。

作者は、本橋馨子(もとはしけいこ)先生。

処女市場~東南アジアの売春事情~のおすすめ度 ★★★☆☆ 3.2

レディースコミックが好きな大人の女性におすすめ

残酷な物語だが、さほどグロくはない。(けど、人によってはグロいととれるかも)

 

 

処女市場「キルギスの誘拐婚」のあらすじ

中央アジアの国・キルギス。

そこでは、自分の気に入った娘を誘拐して、無理矢理花嫁にするという残酷な風習があった

そんな国にある村で生まれ育った二人の姉妹。

姉の名はローザ、妹はアルマと言った。

美しくわがままな妹のアルマは、美しくない上に小賢しい姉のローザを嫌っていた。

ある晩、アルマたちの村で誘拐婚によって結ばれた男女の結婚式が行われた。

その宴の席に現れたのは、村一番の美男子・アジム。

そんなアジムに姉のローザが思いを寄せていたことをアルマは知っていた。

そして、アルマはそのとき不細工な男のグルバンが姉をずっと見つめていることに気付いた。

その熱いまなざしにアルマは、グルバンがローザを想っていることに気付き────・・・。

 

処女市場「キルギスの誘拐婚」のネタバレ

ある日、アルマはアジムからローザを誘拐婚したいことを告げられる。

「あの女が私より幸せになるなんて許せない!」

イケメンと結婚したいアルマはなんとしても、この誘拐婚を妨害しようと画策した。

アルマは、ローザに想いを寄せているグルバンに話を持ち掛ける。

「この国には、気に入った女をさらって、自分の妻にできる制度があるのよ。どうしてそれを利用しないの!」

アルマの言葉にグルバンは意を決し、ローザを誘拐することに・・・。

一方、アルマにローザの誘拐婚の手伝いを頼んだアジムは、まんまとアルマの策略にはまった。

そして、アルマはアジムの妻の座を勝ち取ったのだった。

 

ローザの結婚生活

一度、誘拐されたら、もう元には戻れない・・・。

たとえ戻っても、傷ものとされ、結婚することはできず、村八分にされてしまう・・・。

そのことを考えたら、もうグルバンの妻になるしかない。

そうローザは悟った。

何よりも、ローザは母の言葉を思い出した。

「女は望まれて結婚するのが一番幸せだよ」

その言葉にローザはグルバンの妻になることを決心した。

意外にもグルバンは優しく、ローザを思いやってくれた。

だが、ローザはアルマとアジムの結婚式の写真を眺めては、深いため息をついた。

 

そんなある日、ローザは一冊のノートらしきものを見つけた。

それは、夫のグルバンが密かに書き溜めていた小説だった。

ローザはそっとページをめくり始めた────。

 

アルマの不幸な結婚生活

イケメンのアジムと結婚できて幸せになるはずだったアルマだが、

現実はそううまくはいかなかった。

アジムの母親にひどくこき使われる毎日。

頼りの夫は、我関せずと。

それだけではなく、ひどい暴言に暴力まで振るわれて、アルマの心は姑と夫への憎しみを募らせていた

 

相反するアルマとローザの結婚生活

アルマが暗い日々を送っていた頃、ローザのもとに、一通の知らせが入った。

それは、グルバンの書き溜めていた小説が出版されることになったというのだった。

幸せな日々を思い描いて結婚したアルマ。

反対にどん底からの結婚生活だったローザ。

実際に、ふたを開けてみれば、2人の人生は大きく異なっていった。

だが、一見幸せそうに見えるローザの結婚にも、暗い影が落とし始めていたのだった。

 

処女市場「キルギスの誘拐婚」のネタバレ感想

わがままで自分勝手な妹のアルマが、落ちていき、嵌めたはずの姉のローザが幸せになっていく。

そんな物語・・・だと思っていました。

ここで終われば、めでたしめでたし。

人間悪いコトはできないね。って感想だったのです。

しかし、この漫画はここでハッピーエンディングではありません。

この後、まさかの展開が待っていました。

そして、結末を読み終えて、ようやくアルマがローザのことを小賢しいと嫌っていたことがわかりました。

これまでは、ローザのことを悪く言うのはただの妬みでしかないと思っていたのですが、そうではなかったと思い知りました。

読後感さわやか~の漫画ではありませんが、非常におもしろかったです。

やはり、受けた屈辱的な気持ちというのはなかなか消えないものですね。

この誘拐婚は、現実にあることなので、それを思うと深い話です。

 

処女市場「キルギスの誘拐婚」の結末

そんな素振りなかったのに、グルバンには裏切られた感満載です。

いい旦那さんだと思っていたのに・・・。

けど、いくら痩せたからって、ちょっと変わりすぎじゃない?

あの顔があの顔にはならないんじゃ・・・???

そんなツッコミしたくなりますけどね。

まあ、そこは漫画なんで、よしとしましょう。

アジムも最低、最悪ですね。

ロクな男じゃない!

まあ、そういう意味ではアルマとお似合いの夫婦でしたね。

登場人物の誰もが、好感持てる人いませんでした。

が・・・、物語としてはなかなかよかったですね。

特に、実際にある風習が元になっているというのがこの漫画のおもしろさを倍増してくれています。

 

キルギスの風習「アラ・カチュー(誘拐婚)」について

この漫画の題材となったキルギスの因習アラ・カチュー。

それは、女性を誘拐して無理やり花嫁にするというもの。

男性は、ターゲットとなる女性を見つけると、友人らと協力して、無理矢理誘拐してきて自宅に連れ込みます。

さらわれた女性は、男性の親族らに説得されます。

説得は、時に暴力、性的な暴力、数日にわたる説得という女性の尊厳をまったく無視したもの。

そんな説得にあった女性らはほとんどが結婚に承諾します。

もし、最期まで説得に応じなかった女性がいたとしても、その女性は二度と結婚することはできなくなります。

伝統的な慣習と言われているこの誘拐婚は、もとは親の決めたお見合い結婚から逃れるための「駆け落ち」にはじまったものでした。

それが、現在のようなまがった形に変化していってしまいました。

1994年には法律で禁止されましたが、今も黙認され行われています。

そのため、国際的にも大きな人権問題となっています。

 

処女市場~東南アジアの売春事情~の作品概要

『処女市場~東南アジアの売春事情~』

作者:本橋馨子

ジャンル:女性マンガ

出版社:ぶんか社

掲載誌:ストーリーな女たち

 

苛酷で無慈悲な現実に抗うこともできず、虐げ蹂躙される少女たち……。

今なお東南アジアにはびこるおぞましき闇社会の実態――!!

 

 

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