私の様にマンガで歴史に興味を持った人、少なからず居ると思います。
世界の歴史の中でラブストーリーが繰り広げられ、楽しみながら歴史も勉強できる少女マンガ「マリーベル」をレビューします。
マリーベルについて
作者:上原きみこ
巻数:全12巻(単行本)
簡単なあらすじ
フランス人のアントワーヌとマリーベル兄妹は、お家騒動により屋敷を追い出されて、イギリスに置き去りにされました。兄はいつか迎えに来るから、とマリーベルに手紙を置いて行ってしまいます。
マリーベルは、イギリスのランバート家に引き取られ、そこの公爵の息子、ロベールと恋に落ちますが、その先には幾つもの苦難が待ち受けていました。
歴史物が好きな人にはもちろん、歴史に興味のない人にもおススメです
マリーベルの波乱万丈な人生をイギリスとフランスを舞台に繰り広げられるのですが、それはフランス革命時期でした。主役のマリーベルは、実在する人物ではないですが、実在人物も何人か出てきます。
その中でも準主役級で登場しているのが、フランス革命時にジャコバン派のロベスピエールの右腕になっていた、ルイ・アントワーヌ・レオン・ド・サンジュストです。
彼はマンガ内では、レオンの後にもう1つ名前が有り、マンガ内の通称はその名前、フロレルでした。史実の彼は若くして頭角を現し、25歳で国民公会議員になったフランス革命上の重要人物で、マンガ内でも基本はその様に描かれています。
ただ、マリーベルが幼い頃に別れてずっと探していた兄という設定になっており、このマンガにとってもとても重要人物なので、創作部分もかなりあります。
彼は死の大天使と異名を持つように、冷酷ですが、美しい人だったので、マンガの中でも輝く様な美しさを持つ男性として描かれています。絵になるサンジュストは、他の作品でも登場していますね。
彼の他にもマリーアントワネット、ルイ16世、ロベスピエールなど、実在の人物も出てきて本当に楽しいです。史実が入っていると実際にマンガに出て来る人達がこの世に居たのかという錯覚に陥ります。
私はこの本を読んで、フランス革命にとても興味を持ち、フランス革命について色々覚える事が出来ましたし、今でもずっと興味を持っています。という事で、歴史に興味がない人にも是非お勧めしたいです。
マリーベルの周りはイケメンが次々出て来るのも楽しみの一つ
私は子供の頃、マンガの登場人物に恋い焦がれる事が多々ありましたが、この作品も例にもれずに出て来る人達に夢中になりました。
マリーベルが永遠に忘れる事が出来ない最愛の人は、子供の時引き取られたランバート公爵家のロベールなのですが、私にとっては、彼よりもインパクトが強く見た目も中身も完璧イケメンが、レアンドルでした。
マリーベルは、ロベールと身分違いの差で引き離された後に、レアンドルに惹かれていくのですが、彼は舞台俳優として、最後までカッコ良く人生を全うするのです。彼が亡くなった部分を読んだ時の悲しかった事、著者の上原先生を少し恨みました。
レアンドル、サンジュスト、ジュリアン、フランソワなど、マリーベルのモテぶりはマンガなのに羨ましくなりました。
マンガに夢中になる要素として、魅力的な登場人物は必須です。
さいごに
著書の上原先生は、作品の最後に完成度が弱い、とご自身で書かれていますが、ファンの私にはそんな事は全く有りませんでした。
完成度が弱い、というなら、それも含めて、このマリーベルの魅力なのだと思うのです。
私はしばらくこの本に酔いしれていた時期が有りました。きっと私の様にこの物語の世界にタイムスリップしてしまった人は沢山いると思います。
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Post source:壮大な歴史ロマンスに引き込まれる漫画「マリーベル」の感想【あらすじ】