あなたも猫、かぶってる?笑う大天使(ミカエル)を読んだ感想【あらすじ付】


少女マンガの主人公といえば、きれいだったりかわいかったりちょっとドジだったりとモテる要素をもっていることが多いですよね。そして大体恋に発展して恋に夢中になったり苦しんだりしていきます。

 

「笑う大天使」は、そんな要素があんまりない、地味めでリアリストな女子高生のお話です。

 

笑う大天使について

作者:川原 泉

巻数:全3巻

 

簡単なあらすじ

このお話の舞台は、聖ミカエル学院という正真正銘のおしとやかなお嬢様方が通う学校です。そんな学校に一人の転校生がやってきます。質素でハードな人生を送ってきた彼女は、生き別れた兄と再会して一緒に暮らすことになりますが、お屋敷で暮らすことになったり、お嬢様学校に転入したりと窮屈な猫かぶり生活を送ることになってしまいます。

 

しかし、それぞれの理由で同じように猫かぶりな2人の友人ができ、猫かぶりな苦労を分かち合いながら学生生活を送り、それぞれに抱えた問題を乗り越えていくお話です。

 

見どころ

この作品はなんといっても地味さがすごいんです。主人公たちも派手な考えを持っていませんし、おとなしくしようと心がけています。

 

しかし、ほかのお嬢様たちにはその地味さが魅力的に感じられてしまい、いろんな人たちになつかれて逆に目立ってしまいます。うれしくない状況なのですが、お人よしで猫かぶりの主人公たちはむげにできず、まじめに付き合ってしまうので疲れてしまいます。家庭でも自分が我慢してまた疲れてしまいます。

猫かぶりというと、いい子に思われたいからとか自分のためにすることなイメージがあります。しかし、人を傷つけないためや、人を責めないため、人にいやな思いをさせずに和やかにすごすためにかぶる自己犠牲の健気な猫かぶりなので、とってもいとおしい気持ちになります。そんな気持ちを分かってくれる大人も登場するのでほっとします。

 

もうひとつの見どころは、女子高生なのに怪力を身につけてしまいます。さらに大きい猫をかぶらなくてはならなくなってしまいますが、事件に巻き込まれ、この怪力で事件を余裕で解決したりして活躍します。

 

人のためなら積極的になれる主人公たちがやる気にあふれます。基本できる子たちなので、冷静に判断して淡々と実行していくのでとってもスカッとします。

 

こんな人におすすめ

ちょっと字が多めな感じの作品ですが、ほのぼのでちょっとほろりとしたい方に読んでいただきたい作品です。

 

なにより、まわりに気を遣い、大人に苦労している猫かぶりな方と、健気な子供のこころに気づきたい大人にぜひ読んでいただきたいです。

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