弟との恋！？ライアー×ライアーの胸キュンポイント解説【感想】

自分とは違う誰かになりたい！そういう変身願望は誰しもにあるもの。今回はそんな中でも特殊も特殊（？）な作品、ライアー×ライアーをレビューしたいと思います。

ライアー×ライアーについて

作者：金田一蓮十郎

巻数：全１０巻

高槻湊は二十歳の大学生。ある日引っ越し中の友人の家で憧れの高校の制服を発見します。友人の勧めで袖を通し、メイクもしてもらってテンションは爆上がり！そのまま街中に飛び出しますが、出先で不仲な義弟・透に遭遇してしまいます。

「別人だ」と豪語する湊を信じた透、女子高生の湊に恋をしてしまったようで…！？

義理の姉と弟、という関係性だけでも楽しめそうなのに、さらにそこに別人要素も加わって…まさに萌えの宝石箱です！しかも途中で湊自身にも彼氏ができてしまうという予想外の展開にまで発展します。

弟×女子高生湊と彼氏×普通の湊という二股のような生活が始まってからは見逃せない展開の連続でした！他にも当て馬の先輩なんかも登場し…どんどん複雑化していく関係の中、湊が最終的にどのパートナーをどんな形で選ぶのか注目してほしいです。

最初はイケメンなのを良いことにセフレを作りたい放題で遊んでいた弟の更生のため、という名目で弟の彼女として暗躍していた湊。ところが関係を長く続けるうちに、弟が好きなのは自分ではなく、女子高生姿の自分という別人…ということに胸がモヤモヤし出してからはドツボにはまってしまいます。

弟の中に本当の自分がいないことに傷つく、弟に本当の自分を好きになってほしいのに近づけない、そんなモダモダな関係に読んでてキュンキュンしました！

義理の姉弟、本当の彼氏、二股生活…と聞くと、ちょっと重たい感じを想像してしまいますよね。でもこの作品のすごいところは終始軽くて笑えるコメディータッチで、一人も心底から、嫌な奴！と思うキャラクターは出てこないまま話が進む所なんです。

どんどんドツボにはまって、肩書き的には人の気持ちを弄ぶ嫌な女の称号をほしいままにする主人公を「こうなっちゃったら仕方ないよね…」という気分で応援したくなるのは、この作品だけだと思います！

変身願望がある人、人間関係に悩んでいる人、大学生の人など、幅広く勇気をもらえる作品だと思います。特に、叶わない恋をしている人には絶対に読んでほしいオススメ作品です！

金田一蓮十郎講談社 2010年11月