ファイアーエムブレムファン必読。箱田真紀 ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣の感想


ゲーム作品を漫画にした作品は数多くありますが、ゲームの世界観を崩してしまうなど残念なものも多くあると思います。その中でもこれはゲーマーの世界感を崩さず、また1つの漫画作品としても楽しめるものです。

 

ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣について

作者:箱田真紀

巻数:全12巻

 

あらすじ

これはアカネイア大陸という架空の大陸を舞台にした物語。

 

英雄アンリがドルーア帝国の暗黒竜メディウスを倒し、アカネイア大陸を解放に導いてから100年。魔導師ガーネフの手によってメディウスは復活をはたした。ドルーア帝国は暗黒竜の力をもって、再び世界を支配しようとしていた。瞬く間にグルニア、マケドニアと同盟を結ぶ。

 

英雄アンリの血を引くアリティアの皇帝コーネリウスはドルーア討伐に兵を上げ、息子マルスを伴いグラの使者の導きで城を出立。

 

しかしグラの使者に裏切られ命を失う。さらに、その隙にアリティアまで敵国の手に落ちてしまい、エリスは人質としてさらわれた。アリティアの王子マルスは少数の兵と共に同盟国タリスに亡命する。

 

それから2年。タリス国がガルダの海賊に襲われ、それを鎮圧したのを機にマルスは同盟軍を結成ドルーア討伐、アカネイア大陸解放に乗り出す。

 

特別武芸に秀でているわけでもない心優しい青年のマルスだが、その人柄に惹かれ多くの仲間が同盟軍に参加する。そして、アカネイアの王女ニーナから覇者の証『ファイアーエムブレム』を託される。

 

最終話では祖国アリティアの解放に成功する。

 

ゲームでは描ききれない魅力的なキャラクター達に注目

本作品の素晴らしさは、ゲームを超えて描かれるキャラクターたちの個性にまずは挙げられます。

 

主人公マルスの一人称が「僕」から「私」に変更されているものの、その変更に十分納得できるだけの優しく気品ある王子のパーソナリティを描けています。マルスを慕うタリスの王女シーダのひたむきさ。傭兵オグマの渋さ。盗賊2人のコミカルさ。

 

語り出したらキリがないですが、とにかく、ゲームでは半ばボンヤリとしていた個性や人間関係がくっきりと色味を帯びて描かれており、この漫画のファンになることでファイアーエムブレムというゲームに手を伸ばす人も少なからずいるだろうという作品になっています。

 

次に、その絵の美しさです。

 

箱田真紀が描く髪や布はとても美しいです。非常に柔らかく軽い風合い。なので、衣装が魅力的に描けます。

 

また、人物は初期の頃はややバランスに欠け、ケンのある風貌ですが、時とともにバランスの整った優しげな絵に変わっていきました。

 

最後には個性はきっちり描き分けながらも透明感のある優美な絵となっています。

 

唯一残念なのが、メディウス討伐の最後まで描かれなかった事。アリティア解放で作品は終わっているんです。なので、登場していないキャラクターも多い。。。

 

素敵な作品だっただけに、箱田真紀だったらこのキャラクターはどう描いただろう。このシーンはどうしただろう。と想像してしまいます。

 

こんな人にオススメ

ファンタジーが好きな方。また、コテコテの少女漫画は好まないが、女性の描く柔らかな作品が好きだという方には持ってこいです。

 

また、このゲームはアルスラーン戦記や太王四神記を連想させるので、そういった作品が好きな方にはオススメです!

 

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