異人たちとの夏/異人たち

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池袋の文芸坐で上映されていたので観てきました。上映時間が18時からだったのでそれまでお台場やら池袋周辺で時間をつぶしていたわけですね。
「異人たちとの夏」は同名の原作小説の実写化で1988年の映画です。僕自身生まれてはいますがまだ小学生、正直存在すら知りませんでした。では何で知ったかというと最近読んだ本でこの小説が紹介されていたんですよね。その時もその本での関連で内容に軽く触れていた程度です。内容を見て多少興味を持ちましたがその場はそれきりで実写化していたなんて知りもしません。そんな時、夏季休暇中に何か映画を観に行こうと池袋の文芸坐で上映スケジュールを見ていたら同名タイトルの映画が目に入ってきたわけです。こんなタイミングいい話ってあるんですね(笑)
もう1本の「異人たち」はその原作映画を何とイギリスがリメイクして2023年に制作されていたというのが驚きです。設定はかなり変わってましたが…
原作映画は風間杜夫主演、片岡鶴太郎、秋吉久美子、名取裕子と役者など錚々たるメンツ。しかもみんな若いです(笑)物語は妻と離婚し、仕事場として使っていた事務所で独身暮らしをしている脚本家の主人公が12歳の時に死別した両親と生まれ故郷の浅草でなぜか再会します。あり得ないと思いながらも子どもの時のように自分をかわいがる両親との30年ぶりの団らんに2人と会うことが楽しみになっていた主人公はたびたび両親の家を訪ねるようになります。プライベートでは両親と出会う前に同じマンションに住んでいて、ある夜突然訪ねてきた女性となんやかんやでいい仲となっていきますが主人公の充実した日々とは裏腹にその姿はやせ衰えていき…
偶然とはいえ最初にあらすじというかオチまでも見てしまっていたのでラストの驚きはなかったのですがそれでも両親とのお別れのシーンは風間杜夫の演技もあって泣けてきました。設定的には主人公の方がもう両親の年齢を超えているはずですがそれでもちゃんと親子の関係になっていて余計にグッとくるんですよね。主人公は途中から恋人からの指摘でやせ衰えているのが両親と会っていることだと分かってはいましたがそれでも会いに行きたいと思うのは仕方ないかもしれません。両親も自分たちが死んでいることを自覚していたのか、それとも途中で気づいたのか、この時間が永遠でないことに気づいていて主人公が別れを言いに来たことに寂しさを覚えつつも消えていきます。
これでハッピーエンドかと思いましたが…ラストの展開は思った以上にホラーでしたね(笑)特殊メイクはさすがに時代を感じさせます。でも思った以上に親子の関係に感動させられましたし面白い作品でした。
で、そのリメイクの「異人たち」ですが…まず恋人役が男です。つまりLGBTの要素が追加されています。原作映画でも主人公・風間杜夫と恋人関係となった名取裕子の濃密なラブシーンがあるんですけど当然こちらもかなりガッツリとあります。原作映画では死んだ両親と生前にしていた団らんをもう一度していきますがこちらは自分がゲイということを生前に打ち明けることができず、再会した時初めてカミングアウトして当時の苦悩などと向き合って親とのわだかまりを解いていきます。最後のオチも大まかには同じなんですが…終わり方は謎が残りました。
残った恋人は主人公の中にだけいる的な話?部屋に残った死体は…?同時に原作、リメイクを続けて見たので原作の良さに対して改変された部分ばかりが気になってしまいました。こちらは特に性的マイノリティであることについてをフォーカスしているのでかなり作品として変わってしまっている気がするんですよね。別物として見ていたらもう少しフラットに観られたかもしれません。ラストにどんな怨霊バトルとなるか内心ビクビクしていたのですが…(笑)
18時から2本の映画を観たので終わったのはもう23時前、家に着いたらすっかり日付が変わってしまいました。でも朝から色々歩き回ったのもあって疲れていたはずですが充実した1日でした。

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Source: KONの徒然日記 新館
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