明治時代の横浜とアメリカが舞台「ヨコハマ物語」の感想【あらすじ付】

明治の始めと言えば鎖国が終わった日本は目に見えて大きく変わっていく文明開化の時代でした。

そんな時代、幼くして出会い、友となり、道は違ってもお互い強い信念を持って未来を切り開いていく2人の女性がいました。

彼女達の人生は、現在を生きる私達にも勇気を与えてくれる事、間違いなしです。
いつ読んでも全く色褪せない、素晴らしい作品「ヨコハマ物語」をレビューします。

 

ヨコハマ物語について

作者:大和和紀

巻数:全8巻

 

簡単なあらすじ

明治8年、11歳で見寄りを失くした卯野は、横浜の貿易商、叶屋商会に引き取られ、甲州の片田舎から横浜に出てきます。そして叶屋の同い年の娘、万里子と出会います。

新しい文明時代、生まれも育ちも違った2人の愛と友情の物語です。

 

一番の見どころは何と言っても卯野と万里子の固い友情

卯野は片田舎で両親を亡くした身寄りのない孤児の娘、万里子は横浜生まれのお金持ちの地主の娘、全く違う生まれ育ちなのに、出会った時からとても気が合う2人でした。

卯野からみたら万里子はお嬢様、万里子から見たら卯野は小間使い、それでも2人の間に固い友情が芽生え、生涯の友となるのです。

同じ人を好きになったり、2人の間には飛び越えなければならない壁も有りましたが、それでもやっぱり信頼し合う2人は本当に固い絆で結ばれているのだと思いました。

私は自分自身と幼馴染の親友を、この2人に重ね合わせていたのでより身近に感じられました。

真の友人というのは、生まれや育ち、周りの環境など関係なく出来るものなのだと思います。

 

海外に出たいけど勇気がない、という人には是非読んで欲しい

明治時代、まだまだ海外に行く人は限られていた時代です。この時代でも外国に憧れる少女達が居ました。

卯野も万里子もこんな時代に英語を一生懸命勉強し、日本とは違った世界を見たい、と思ったのです。

今と違って船で何日も掛かるアメリカに実際に行く事を考えるなんてすごいと思います。今は飛行機に乗れば殆どの国へ1日も掛からず行けます。

海外留学をしたい、でも海外に一人で出る勇気がない、という人は是非読んでみて下さい。今は日本も外国も昔ほど大きく変わりません。

海外留学をしたいと思っているなら、とりあえず行ってみて欲しいです。このマンガを読めば、きっと卯野や万里子も後押ししてくれます。

 

もちろん恋の話も

万里子はいつも煌びやかな世界に居て周りを引っ張っていく女性、そんな万里子にはやっぱりそんな男性、竜助の様な少し強引な男爵系男子がぴったりです。

そして真面目で頭が良くて気の利く卯野には、卯野と似た真面目さを持っている森太郎が一番お似合いだと思います。

卯野の事をずっと好きだったトビーの長年の恋が叶わなかったのはちょっと可哀想でしたが、卯野と森太郎が似合い過ぎているので仕方がないです。

でも森太郎という存在がなければ、卯野には時代を先導して国際結婚をして欲しかったと思いました。

 

明治時代の日本とアメリカが楽しめる

このマンガはタイトル通り横浜が舞台で物語が進んでいきます。昔の古き良き時代というのでしょうか、素敵な横浜情緒に浸る事が出来ます。横浜にお住まいの方にはもちろん興味深いと思いますし、住んでいない方にも明治時代の横浜風景が楽しめます。

そしてこの時代のアメリカ、著者の大和和紀先生はこのマンガを描くにあたって本当に色々調べられたんだろうな、と思います。

明治時代の日本とアメリカの素敵な旅も楽しめる「ヨコハマ物語」とてもお勧めの作品です。

 

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